オメガ脂肪酸 オメガ6:オメガ3比 “1〜4:1” が犬猫の理想値である理由
- activebeautylab
- 11月21日
- 読了時間: 4分
──古い「5〜10:1神話」が生まれた本当の背景と、最新研究が示す真実──

🔰 はじめに:
オメガ脂肪酸の比率「5〜10:1が良い」という情報は、実は“理想値”ではありません。
多くのペットフード関連の記事では、
「猫は5〜10:1が良い」
「犬も5〜8:1が一般的」
と書かれています。
しかしそれは 最新の獣医栄養学が示す理想値ではなく、“ドライフードの製法によって生まれた業界の都合値” であることが、近年の研究で明らかになっています。
2024〜2025年の脂質研究/獣医栄養学では、犬猫ともに 1〜4:1 のオメガ脂肪酸の比率が最も健康的 というエビデンスが増えています。
この記事では、最新科学をもとに、
5〜10:1という数値がどこから来たのか
1〜4:1が理想とされる理由
自然界の肉食動物の比率
どんなフードが理想比になりやすいか
を、科学的にわかりやすく解説します。
🧩 **なぜ「5〜10:1」が当たり前になったのか?
結論:ドライフードの加工構造が“オメガ6過多”を作るから**
① 高オメガ6の植物油が、製造工程で大量に必要だから
ドライフード(キブル)は、
粉 → 生地 → 成形 → 高温加熱 → コーティング
という工程で作られます。
このとき構造上どうしても、
粉を固めるための植物油
風味付けのための油脂
酸化防止剤付きの油脂
コーティングの油
といった 油脂が大量に必要 になります。
使用されやすい植物油は、
コーン油
大豆油
サンフラワー油
など オメガ6が非常に多く、オメガ3はほぼゼロ の油。
➡ そのため、製法上どうしても n-6:n-3 が 5〜20:1 に偏りやすいのです。これが「5〜10:1 が良い」と言われてきた最大の理由。
② AAFCO・FEDIAF が示すのは “最低限の基準” だから
業界でよく引用される基準値は、
✔ 欠乏症を防ぐための最低ライン✔ 製品の現実的な構造(=植物油中心)に合わせた“許容範囲”であり、
炎症を抑える
腎臓や皮膚の健康を最適化
高齢期の疾患予防
自然食性へ近づける
といった “最適な健康” を目的とした基準ではありません。
だからこそ5〜10:1 は理想値ではなく、加工構造の結果で生まれた許容値にすぎない のです。
🔬 では、なぜ最新研究は “1〜4:1” を理想とするのか?
2024〜2025年の獣医学レビューでは、オメガ比が 1〜4:1 の範囲で、最も健康効果が強い とされます。
理由は以下の通り。
理由①:慢性炎症を抑えるため
オメガ6 → 炎症性エイコサノイドを産生(炎症を作る)
オメガ3 → 抗炎症メディエーターを産生(炎症を抑える)
つまり n-6 が多すぎると、
皮膚炎
関節炎
アレルギー
腎臓病
心血管疾患
など、慢性炎症に関連する疾患が増えます。
最新研究では:
4:1以下 → 炎症マーカーが低下
1〜3:1 → 改善効果が最大化
という結果が多く報告されています。
理由②:皮膚・被毛・関節の健康に最も適している
EPA/DHA(オメガ3)は、
皮膚バリア改善
かゆみ軽減
関節の潤滑性アップ
軟骨保護
に大きく貢献します。
特にアレルギー体質の犬猫では、1〜3:1で最も改善が大きい とされています。
理由③:腎臓・心血管・脳の保護作用が強い
オメガ3は、
腎血流の改善
心臓の負担軽減
脳の認知機能維持
にも効果的。
高齢期の犬猫で特に重要なポイントです。
理由④:自然界の肉食動物は “必ず低比率(1〜3:1)”
野生の犬科・猫科動物は、
動物性脂肪が中心
内臓・血液から脂肪酸を摂る
EPA/DHAのある魚も捕食
植物油ゼロ
という食性のため、実測では 1〜3:1 に自然と収まります。
つまり
1〜4:1は“自然界の標準値”であり、最も無理のない比率。
🥩 どんなフードが自然に1〜4:1になるのか?
以下の条件を満たすフードは、植物油を使ったキブルよりも圧倒的に自然な比率になりやすい。
動物性主体の原材料
生食(ローフード)または低温調理
フリーズドライ
植物油を使わない
魚由来オメガ3が含まれる
高温加工ではない
こうした構造のフードは、2〜4:1、または魚配合なら1〜3:1 に自然と収まります。
(例:KISENA&RAWZ の構造がこれに該当)
🎯 まとめ:古い「5〜10:1」に惑わされず、最新研究に基づいた“1〜4:1”へ
5〜10:1→ ドライフードの加工構造が生んだ“都合値”
1〜4:1→ 最新研究が示す“最も健康的で炎症が抑えられる比率”
1〜3:1→ 自然界の肉食動物の実測値
つまり、犬猫に最も自然で健康的なのは“1〜4:1以下のオメガバランス”。
🌱 最後に:あなたの愛犬・愛猫のフードのオメガ比は何:何ですか?
フード裏面の
オメガ6%
オメガ3%
を確認し、オメガ6 ÷ オメガ3 = 比率を計算してみてください。
健康を決めるのは量ではなく “比率”。
そして、その理想値は最新研究 × 自然界の両方が「1〜4:1」以下と示しています。



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