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オメガ脂肪酸 オメガ6:オメガ3比 “1〜4:1” が犬猫の理想値である理由

──古い「5〜10:1神話」が生まれた本当の背景と、最新研究が示す真実──

犬猫がオメガバランスについて説明を受ける

🔰 はじめに:

オメガ脂肪酸の比率「5〜10:1が良い」という情報は、実は“理想値”ではありません。

多くのペットフード関連の記事では、

  • 「猫は5〜10:1が良い」

  • 「犬も5〜8:1が一般的」

と書かれています。

しかしそれは 最新の獣医栄養学が示す理想値ではなく、“ドライフードの製法によって生まれた業界の都合値” であることが、近年の研究で明らかになっています。

2024〜2025年の脂質研究/獣医栄養学では、犬猫ともに 1〜4:1 のオメガ脂肪酸の比率が最も健康的 というエビデンスが増えています。

この記事では、最新科学をもとに、

  • 5〜10:1という数値がどこから来たのか

  • 1〜4:1が理想とされる理由

  • 自然界の肉食動物の比率

  • どんなフードが理想比になりやすいか

を、科学的にわかりやすく解説します。

🧩 **なぜ「5〜10:1」が当たり前になったのか?

結論:ドライフードの加工構造が“オメガ6過多”を作るから**

① 高オメガ6の植物油が、製造工程で大量に必要だから

ドライフード(キブル)は、

  • 粉 → 生地 → 成形 → 高温加熱 → コーティング

という工程で作られます。

このとき構造上どうしても、

  • 粉を固めるための植物油

  • 風味付けのための油脂

  • 酸化防止剤付きの油脂

  • コーティングの油

といった 油脂が大量に必要 になります。

使用されやすい植物油は、

  • コーン油

  • 大豆油

  • サンフラワー油

など オメガ6が非常に多く、オメガ3はほぼゼロ の油。

➡ そのため、製法上どうしても n-6:n-3 が 5〜20:1 に偏りやすいのです。これが「5〜10:1 が良い」と言われてきた最大の理由。


② AAFCO・FEDIAF が示すのは “最低限の基準” だから

業界でよく引用される基準値は、

✔ 欠乏症を防ぐための最低ライン✔ 製品の現実的な構造(=植物油中心)に合わせた“許容範囲”であり、

  • 炎症を抑える

  • 腎臓や皮膚の健康を最適化

  • 高齢期の疾患予防

  • 自然食性へ近づける

といった “最適な健康” を目的とした基準ではありません。

だからこそ5〜10:1 は理想値ではなく、加工構造の結果で生まれた許容値にすぎない のです。

🔬 では、なぜ最新研究は “1〜4:1” を理想とするのか?

2024〜2025年の獣医学レビューでは、オメガ比が 1〜4:1 の範囲で、最も健康効果が強い とされます。

理由は以下の通り。

理由①:慢性炎症を抑えるため

オメガ6 → 炎症性エイコサノイドを産生(炎症を作る)

オメガ3 → 抗炎症メディエーターを産生(炎症を抑える)

つまり n-6 が多すぎると、

  • 皮膚炎

  • 関節炎

  • アレルギー

  • 腎臓病

  • 心血管疾患

など、慢性炎症に関連する疾患が増えます。

最新研究では:

  • 4:1以下 → 炎症マーカーが低下

  • 1〜3:1 → 改善効果が最大化

という結果が多く報告されています。


理由②:皮膚・被毛・関節の健康に最も適している

EPA/DHA(オメガ3)は、

  • 皮膚バリア改善

  • かゆみ軽減

  • 関節の潤滑性アップ

  • 軟骨保護

に大きく貢献します。

特にアレルギー体質の犬猫では、1〜3:1で最も改善が大きい とされています。


理由③:腎臓・心血管・脳の保護作用が強い

オメガ3は、

  • 腎血流の改善

  • 心臓の負担軽減

  • 脳の認知機能維持

にも効果的。

高齢期の犬猫で特に重要なポイントです。


理由④:自然界の肉食動物は “必ず低比率(1〜3:1)”

野生の犬科・猫科動物は、

  • 動物性脂肪が中心

  • 内臓・血液から脂肪酸を摂る

  • EPA/DHAのある魚も捕食

  • 植物油ゼロ

という食性のため、実測では 1〜3:1 に自然と収まります。

つまり

1〜4:1は“自然界の標準値”であり、最も無理のない比率。

🥩 どんなフードが自然に1〜4:1になるのか?

以下の条件を満たすフードは、植物油を使ったキブルよりも圧倒的に自然な比率になりやすい。

  • 動物性主体の原材料

  • 生食(ローフード)または低温調理

  • フリーズドライ

  • 植物油を使わない

  • 魚由来オメガ3が含まれる

  • 高温加工ではない

こうした構造のフードは、2〜4:1、または魚配合なら1〜3:1 に自然と収まります。

(例:KISENA&RAWZ の構造がこれに該当)

🎯 まとめ:古い「5〜10:1」に惑わされず、最新研究に基づいた“1〜4:1”へ

5〜10:1→ ドライフードの加工構造が生んだ“都合値”

1〜4:1→ 最新研究が示す“最も健康的で炎症が抑えられる比率”

1〜3:1→ 自然界の肉食動物の実測値

つまり、犬猫に最も自然で健康的なのは“1〜4:1以下のオメガバランス”

🌱 最後に:あなたの愛犬・愛猫のフードのオメガ比は何:何ですか?

フード裏面の

  • オメガ6%

  • オメガ3%

を確認し、オメガ6 ÷ オメガ3 = 比率を計算してみてください。

健康を決めるのは量ではなく “比率”

そして、その理想値は最新研究 × 自然界の両方が「1〜4:1」以下と示しています。

 
 
 

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