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犬と猫は「糖を食べる必要がない」── 糖新生が解き明かす、本来の代謝と現代フードの誤解。犬猫に炭水化物は必要?

家で暮らす犬と猫

はじめに:あなたは“糖=エネルギー”だと思っていませんか?犬猫に炭水化物は必要?

人の栄養学では「糖質はエネルギー源」という考えが一般的です。しかし──犬と猫はこの“人間のルール”では動いていません。

犬と猫の体は、糖(犬猫に炭水化物)を食べなくても生きていける。むしろ 「糖を食べずに生きるように設計されている」 のです。

その鍵となるのが 糖新生(Glucose Neogenesis / Gluconeogenesis)

本記事では、最新の代謝学・進化生物学の視点から「糖新生とは何か?」「なぜ糖を食べさせすぎると問題が起きるのか?」をもっとも分かりやすく、しかし本質的に解説します。

1. 犬と猫には“自分で糖を作る力”が備わっている

犬と猫の体は、糖(ブドウ糖)が必要な器官──脳・赤血球・腎髄質など──へ安定して供給するために、

糖を“食べる”のではなく、糖を“作る”仕組みを持っています。

それが 糖新生(Gluconeogenesis)

2. 糖新生とは?(もっとも分かりやすい定義)

糖新生は、次の材料から糖を合成する代謝経路です。

  • アミノ酸(タンパク質の分解)

  • グリセロール(脂肪の一部)

そして主に 肝臓、必要に応じて 腎臓 でも行われています。

つまり──彼らの体は、糖質を食べなくても 必要な糖を自給自足できる のです。

3. 進化の視点:なぜ糖新生が“標準装備”なのか?

犬と猫は肉食動物(犬は雑食寄りの肉食)。野生環境では「糖質」はほとんど存在しません。

  • 捕食するのは動物(タンパク・脂質が中心)

  • 自然界に穀物やデンプンはほぼなし

  • 毎日狩りが成功するわけでもない

そのため、大量の糖を外から摂取する前提の代謝では生き残れませんでした。

だからこそ、糖を“食べずに生きる体”として進化した。

これは、犬と猫にとって「当たり前の正常機能」です。

4. ではなぜ現代フードは“糖(炭水化物)だらけ”なのか?

結論から言えば──保存性・大量生産・価格の安定のため です。

  • 粉にできる

  • 腐りにくい

  • 粘着性があり加工しやすい

  • コストが安い

つまり「企業側の都合」が中心であり、犬猫の代謝に合わせた設計ではありません。

5. 糖質を食べすぎると何が起きるのか?

糖を自分で作れる体に、外から大量の糖を入れ続けると──代謝は崩れ、臓器に負担がかかります。

✔ 急激な血糖変動(スパイク)

→ エネルギーが不安定になり、代謝ストレスに。

✔ インスリン抵抗性

→ 膵臓が疲れ、糖コントロールが乱れる。

✔ 肝臓・膵臓への負担

→ 過剰な糖処理は脂肪蓄積・機能低下へ。

✔ 腎臓の負担

→ 高血糖が濾過機能にストレスをかける。

✔ 慢性炎症・酸化ストレス

→ 皮膚・関節・腸まであらゆる機能に影響。

✔ 腸内環境の乱れ

→ 糖質過多は悪玉優位のマイクロバイオームに。

「糖新生で十分まかなえる」体に“人間基準の糖質量”を押し付けた結果起きている問題です。

6. 糖新生を活かす食事とは?

糖新生を妨げず、本来の代謝を最大限に生かすには、

● 高タンパク

● 適正な脂質(オメガバランスを含む)

● 低糖質

が基本になります。

さらに、加工度が低く、素材の栄養がそのまま活きる食事──生食・高品質ウェットフード がもっとも自然に近い形です。

7. “糖を食べる”ではなく“糖を作る”時代へ

犬と猫の体は、私たちが想像する以上に高度で、自然で、洗練されています。

  • 糖を食べなくても生きられる

  • 必要な糖は自分で作れる

  • 過剰な糖はむしろ負担になる

この事実を知れば、「糖が多いフード=良い」という発想は消えていきます。

本来の代謝を尊重した食事こそが、健康を長く守る最短ルートです。

まとめ

✔ 犬と猫は糖を“食べなくても”生きていける✔ その理由は「糖新生」という自給の仕組み✔ 糖質過多の現代フードは臓器・血糖・炎症に負担✔ 自然の設計に合う食事=高タンパク・低糖質・低加工✔ 健康長寿の鍵は「糖を食べる」ではなく「糖を作る」

 
 
 

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