【最新科学で解説】オメガ6:オメガ3 脂肪酸比は “4:1以下” が理想
- activebeautylab
- 7 日前
- 読了時間: 3分

はじめに —「猫は5〜10:1が良い」は本当?
ペットフードの栄養情報を調べると、
「猫は n-6:n-3 が 5〜10:1 くらいが良い」「犬もだいたい 5〜8:1 が一般的」
といった記事をよく見かけます。
しかし、これは 最新研究の理想値ではありません。そして何より重要なのは――
💡 “5〜10:1 は、市販ドライフードの現実的な構造から生まれた“業界の都合値” にすぎない”
ということです。
最新の獣医学・栄養学では、むしろ4:1以下、できれば 1〜3:1 がより自然で健康的であることを示す研究が増えています。
この記事では、
今までの「5〜10:1」という数値がどこから来たのか
最新の「4:1以下」という理想値は何に基づくものか
自然界の肉食動物がどれくらいの比率なのか
その背景と理由
をわかりやすくまとめます。
なぜ「5〜10:1」が広まったのか?その理由は“ドライフードの構造”にある
結論:5〜10:1 の数値は“猫の理想”ではなく“ドライフードを作る上での都合”から生まれた基準です。
理由①:植物油(安価なオメガ6)が大量に使われるから
ドライフードはコストを抑えるために以下の油脂が使われます:
コーン油
大豆油
サンフラワー油
動物性脂肪(レンダリング油)
これらは オメガ6が非常に多く、オメガ3がほぼゼロ。よって構造上どうしても n-6:n-3が5〜20:1 になりやすい。
→ 結果として「5〜10:1が良い」という“許容範囲”が業界標準になりました。
理由②:AAFCO・FEDIAFの基準は“最低限の健康維持”で作られている
AAFCOなどが示す数値は、「病気を予防する最小限の栄養量」。つまり「不足しないための基準」であり、
炎症を減らす
腎臓・皮膚・脳の健康を最適化
より自然な肉食動物の食性へ
といった“理想の健康”を目指す基準ではありません。
→ だから 5〜10:1は“最低限の許容範囲”にすぎない。
最新研究ではなぜ「4:1以下」が理想的とされるのか?
最新のレビュー論文(2024〜2025年)では、次のような知見が示されています。
① オメガ6は炎症性、オメガ3は抗炎症性として働く
オメガ6 → アラキドン酸 → 炎症促進物質に代謝される
オメガ3 → EPA/DHA → 炎症抑制物質に代謝される
つまり比率が高い(6が過多)と炎症が慢性的に起きやすく、
アレルギー
皮膚炎
関節疾患
腎臓病
心血管疾患
などのリスクが上昇することがわかっています。
→ だから n-6:n-3 (オメガ6:オメガ3 脂肪酸比)を低く保つ必要がある。
② 炎症疾患の研究で“1〜4:1”が最も良い結果を示している
複数の臨床試験で
アトピー性皮膚炎
OA(変形性関節症)
腎臓病
などに対して、1〜3:1の比率で改善が最も大きいことが報告されています。
つまり 4:1以下は「効果が見え始めるライン」 と考えることができます。
③ 自然の肉食動物の脂肪酸比は 1〜3:1 が中心
野生の肉食動物は:
草食動物の筋肉
内臓
血液
魚類(EPA/DHA豊富)
を食べるため、脂肪酸比は自然と 低オメガ6 × 高オメガ3 になります。
実測では多くが 1〜3:1 の範囲。
つまり “4:1以下”は自然界に近い のです。
つまり「4:1以下」はこうして論理的に導かれている
📌 5〜10:1→ ドライフードの構造上そうなってしまうため設定された“許容値”
📌 4:1以下→ 自然界の比率に近く、最新研究で最も健康効果が高い帯
まとめ:古い“5〜10:1神話”に惑わされないこと
5〜10:1 → 市販ドライの都合で生まれた許容値
4:1以下 → 最新栄養学が示す、より自然で健康的な理想値
1〜3:1 → 皮膚・腎臓・関節などで特に良い結果が出ている帯
野生の肉食動物の脂肪酸比も1〜3:1が中心
つまり、本当に犬猫の体に自然なのは
“4:1以下の低オメガ6 × 高オメガ3バランス”
です。
コメント