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【最新科学で解説】オメガ6:オメガ3 脂肪酸比は “4:1以下” が理想

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はじめに —「猫は5〜10:1が良い」は本当?

ペットフードの栄養情報を調べると、

「猫は n-6:n-3 が 5〜10:1 くらいが良い」「犬もだいたい 5〜8:1 が一般的」

といった記事をよく見かけます。

しかし、これは 最新研究の理想値ではありません。そして何より重要なのは――

💡 “5〜10:1 は、市販ドライフードの現実的な構造から生まれた“業界の都合値” にすぎない”

ということです。

最新の獣医学・栄養学では、むしろ4:1以下、できれば 1〜3:1 がより自然で健康的であることを示す研究が増えています。

この記事では、

  • 今までの「5〜10:1」という数値がどこから来たのか

  • 最新の「4:1以下」という理想値は何に基づくものか

  • 自然界の肉食動物がどれくらいの比率なのか

  • その背景と理由

をわかりやすくまとめます。



なぜ「5〜10:1」が広まったのか?その理由は“ドライフードの構造”にある

結論:5〜10:1 の数値は“猫の理想”ではなく“ドライフードを作る上での都合”から生まれた基準です。

理由①:植物油(安価なオメガ6)が大量に使われるから

ドライフードはコストを抑えるために以下の油脂が使われます:

  • コーン油

  • 大豆油

  • サンフラワー油

  • 動物性脂肪(レンダリング油)

これらは オメガ6が非常に多く、オメガ3がほぼゼロ。よって構造上どうしても n-6:n-3が5〜20:1 になりやすい。

→ 結果として「5〜10:1が良い」という“許容範囲”が業界標準になりました。



理由②:AAFCO・FEDIAFの基準は“最低限の健康維持”で作られている

AAFCOなどが示す数値は、「病気を予防する最小限の栄養量」。つまり「不足しないための基準」であり、

  • 炎症を減らす

  • 腎臓・皮膚・脳の健康を最適化

  • より自然な肉食動物の食性へ

といった“理想の健康”を目指す基準ではありません。

だから 5〜10:1は“最低限の許容範囲”にすぎない。



最新研究ではなぜ「4:1以下」が理想的とされるのか?

最新のレビュー論文(2024〜2025年)では、次のような知見が示されています。



① オメガ6は炎症性、オメガ3は抗炎症性として働く

  • オメガ6 → アラキドン酸 → 炎症促進物質に代謝される

  • オメガ3 → EPA/DHA → 炎症抑制物質に代謝される

つまり比率が高い(6が過多)と炎症が慢性的に起きやすく、

  • アレルギー

  • 皮膚炎

  • 関節疾患

  • 腎臓病

  • 心血管疾患

などのリスクが上昇することがわかっています。

だから n-6:n-3 (オメガ6:オメガ3 脂肪酸比)を低く保つ必要がある。



② 炎症疾患の研究で“1〜4:1”が最も良い結果を示している

複数の臨床試験で

  • アトピー性皮膚炎

  • OA(変形性関節症)

  • 腎臓病

などに対して、1〜3:1の比率で改善が最も大きいことが報告されています。

つまり 4:1以下は「効果が見え始めるライン」 と考えることができます。



③ 自然の肉食動物の脂肪酸比は 1〜3:1 が中心

野生の肉食動物は:

  • 草食動物の筋肉

  • 内臓

  • 血液

  • 魚類(EPA/DHA豊富)

を食べるため、脂肪酸比は自然と 低オメガ6 × 高オメガ3 になります。

実測では多くが 1〜3:1 の範囲。

つまり “4:1以下”は自然界に近い のです。



つまり「4:1以下」はこうして論理的に導かれている

📌 5〜10:1→ ドライフードの構造上そうなってしまうため設定された“許容値”

📌 4:1以下→ 自然界の比率に近く、最新研究で最も健康効果が高い帯



まとめ:古い“5〜10:1神話”に惑わされないこと

  • 5〜10:1 → 市販ドライの都合で生まれた許容値

  • 4:1以下 → 最新栄養学が示す、より自然で健康的な理想値

  • 1〜3:1 → 皮膚・腎臓・関節などで特に良い結果が出ている帯

  • 野生の肉食動物の脂肪酸比も1〜3:1が中心

つまり、本当に犬猫の体に自然なのは

“4:1以下の低オメガ6 × 高オメガ3バランス”

です。

 
 
 

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